オンリーワンのハンドシェイプと量産型マシンシェイプどっちがいい?【サーフボードについて考える】

マシンシェイプの完成度は非常に高いです。乗り手が『精密さ』だけをサーフボードに要求するだけであれば、ハンドシェ […]

マシンシェイプの完成度は非常に高いです。乗り手が『精密さ』だけをサーフボードに要求するだけであれば、ハンドシェイプの板を選ぶ必要はありません。

それでも多くの人がいまだに、『ハンドシェイプ』という言葉に惹かれます。

自分自身の場合、気がつけば所持しているサーフボードすべてが、ハンドシェイプされたものになっていました。

ハンドシェイプのほうがいいってこと?

それは決して、『ハンドシェイプ』の方が優れているから、そうなったわけではありません。

欲しいサーフボードを追い求めていたら、結果としてそうなっていたのです。

これは、ある意味でとても不思議なことです。

もちろん、僕自身と正反対の方もいるはずです。

自分の欲しい板を追い求めていたら、『量産型マシンシェイプ』のサーフボードが集まっていた、ということも考えられるのです。

結論から言えば、『ハンドシェイプとマシンのどちらがいいのかという質問』に明確な答えは存在しません。

つまり、どちらをとっても『正解』なのです。

量産型というと聞こえが悪いけど?

量産型のマシンシェイプの板にも、素晴らしいものも沢山あります。

素晴らしいシェイパー達が知恵と経験を絞り、『マシンで削られるサーフボード』をデザインしているからです。

ただただ自分が欲しい板を、模索し続けてみましょう。

そうすることで、あなたに取っての『答え』が必ず見つかります。どちらも素晴らしく、どれを取ってもいいのです。

マシンでもハンドシェイプでもどちらでも正解である

ハンドシェイプの付加価値について

全く同じ形状のフィッシュのサーフボードを、ハンドシェイプとマシンが作り出したとしたら、多くの人が『ハンドシェイプの方に付加価値』を感じるはずです。

それはなぜでしょうか?

簡単に説明すると?

例えば、料理に使われる包丁も同じです。

『職人が手打ちで作った一本物の包丁』と、『機械が作った量産型包丁』であったとしましょう。

『切る』という目的は、どちらを取っても達成できます。

人によっては、量産型包丁をすぐに手に取る人もいるはずです。自分の用途にあっていたら、職人が削っていなくても十分道具としての役割を果たしてくれるからです。

その一方で、『職人が削った包丁』にこだわりを持つ人も多くいます。

何が言いたいの?

使い手によって、『道具』を選ぶ基準に違いがあるということです。

サーフボードでも同じことが言えます。

サーファーによっては『ハンドシェイプをするシェイパーが作る作品』に、惹かれている場合もあるのです。

仮にそのシェイパーが、自分の望む板と違うものを生み出しても、乗ってみたいと思わせてくれる。

そんな感覚です。それこそが最大の、付加価値なのです。

それも、多くのサーファーがハンドシェイプに惹かれる理由の一つなのではないでしょうか?

ハンドシェイプする人間味にも惹かれる

限りなくオンリーワンの板に近いハンドシェイプ

さらに言えるのは、ハンドシェイプで作り出したサーフボードは、『限りなくオンリーワン』だという点です。

ハンドシェイプでは全く同じものを作れないの?

仮にシェイパーが、同じテンプレート(サーフボードを切り出す際に使われる型紙)で削ろうとしても、『本当にごくわずか』の違いが生まれるのです。

それは、機械的に言えば『悪い点』ですが、人間的に言えば、『魅力的な部分』だとも言えます。

機械が作り出した精密なコップより、図工の時間に作った個性的な茶碗が、どこか鮮烈な魅力を放つのと同じことです。

ハンドシェイプとマシンシェイプはどっちがいいの?

芸術品という観点からマシンシェイプを考える

サーフボードを芸術品として、考えてみましょう。

そうすると途端に、『量産型マシンシェイプ』に伸びていた手が止まるはずです。

芸術品・・・

人間の手は、『芸術品』を作ることができます。

量産されているパフォーマンスボードを手にとって、『素晴らしい芸術品だ』というサーファーは少ないはずです。

ハンドシェイプの板は、鮮烈な魅力を放ちます。それは間違いのないことです。

ハンドシェイプのサーフボードはアートである

正確さを追い求めること

機械は正確無比です。それは間違いありません。

もちろん、ハンドシェイプをされているシェイパーの方も、『機械のように正確に削り出すこと』ができます。

ただ、使い手が正確さだけ求めているのであれば、マシンシェイプに行き着くはずです。

何が言いたいの?

ハンドシェイプの板に行き着いたサーファーが求めているのは、必ずしも『正確性』だけではないとういうことです。

ハンドシェイプの板は個性的なものが多い

ハンドシェイプであれば、サーフボードブランクスを手にし必要な材料があれば、『マシン』を購入しなくても、サーフボードは作ることができます。

そうだとどんな利点が?

奇妙な形をしたサーフボードで、ほとんどの人が興味を持たないような板も、裏庭で作ることが可能なのです。

それも、『ハンドシェイプ』ならではの魅力だと言えます。

量産型のマシンシェイプは、『万人ウケするサーフボード』からはみ出ることができません。

その枠からはみ出たいサーファーからすれば、マシンシェイプの量産型は、どこか面白みがなく感じてしまうものなのです。

まとめ

乗り手の価値観や興味が、手にするサーフボードを決定していきます。

そのどれもが、かけがえのないものであり、忘れることができない出会いとなっていきます。

あなたのマジックボードは、倉庫の奥に眠っている30年前の板かもしれません。

あるいは、マシンシェイプで削り出された、隣のサーフショップに置いてある板かもしれません。

マシンで削られても人であっても、安くても高くても、サーフボードは宝物です。

だからこそ、一期一会のサーフボードとの出会いは大切に、慎重に選んでいきたいものです。

記事を書いている人

齊藤剣介

サーフフォトグラファー齊藤剣介

1984年生まれ。2012年、ニュージーランドに移住。波乗りに明け暮れながら、サーフフォトグラファーとしても活動している。北海道出身。

サーフフォトグラファーとしての実績
2017 Unsplash awards short listed
2018 Sony world photography Awards commended

※記事内で使用されている写真の大半は、個人で撮影したものではありません。